心の病
バスが動いて30分たっただろうか・・・

後ろからこそこそ話が聞こえる。

胸騒ぎがした。

先輩に交じってゆかりが何かはなしていた。

いやな予感が的中した。
ゆかりは先輩たちにガセネタを流していた。

私がまじめにやっていなかった。最初から負けると思っていたから応援にも手を抜いていた。と・・・

先輩たちが怒り出すのも当たり前。

私は聞き流していたつもりだった。

『あいつがいたから負けた』

『あいつ最低な奴だな』
『引田天功みたいなかみしやがって』

段々あたしに対する悪口に変わってエスカレートしてくる。

『学校ついたらやってやるか』

『あははそれがいーや。』

あたしはいつの間にか外を見つめ、泣いていたことに気づいた。

この窓から飛び降りたらどんなにらくだろう。

そんなことを考えながら。

一年の何人かが気づいてくれて大丈夫?と声をかけてくれた。

うれしさ反面不安と今日がいっぱいで涙が止まらなかった。

先輩たちの攻撃はまだやまない。

『今日楽しかった人手あげて』

みんなあげていたので急いであげた。

『誰が誰だかわからないから顔見せて』

なんてひどい人たちなんだ・・・

そう感じた。

泣いてる顔をあげる。

『はいもういいよ』

また小声話が始まる。

泣きたいのはこっちだ。
あいつが泣く理由がわからない。

学校に着くまでその話で持ちきりだった。
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