【短編集】STAY
負け犬達とチョコレート
「今年もチョコ0個だったんだ」
幼なじみと言うか腐れ縁と言うべきなのだろうか、そんなわけわかんない関係の目の前の女が笑いながら言ってくる。
どうせ俺はモテないですよ。
って言うかお前こそあげる奴誰もいないなんて言っていたから、似たようなものだろう。
それでもそんな風に言われるのは男としては嬉しくないので
「ちぇ」
なんて舌打ちをした。
すると俺がそんな風に舌打ちするのが面白いのか彼女はニヤニヤと笑った。
「しょうがないなぁ」
ニヤニヤとした気持ち悪い笑みをやめると、どこからか湯気のたっている白いマグカップを持ってきた。
「これを進呈しよう」
目の前に置かれたマグカップをのぞき込むと茶色くてドロドロした物が入っていた。