ピアスに秘めた想い
「勇人、よくやった」

克海がその場を離れていくと、父上が小声で俺に言ってくる

「…っくだらねえんだよ」

俺は霊前に背を向けると、九条の屋敷を出て行った

目の端に、泣きじゃくっている克波の姿が映った

クレアと同じエメラルドグリーンの瞳を、濡らしていた

大丈夫だ

必ず俺が守っている

克波も小花も、俺が守る

あんな男の言いなりになってたまるか!

クレアの望みを叶える

それは俺の望みでもあるんだ

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