ピアスに秘めた想い
俺は懐かしい手紙に指先で触れた

忙しい毎日で、手紙の存在など忘れていた

6年前までは手紙を読み返しては、握りしめて泣きながら眠っていたというのに

時がたつというは、すごいことなんだな

あの時は、辛い気持ちばかりが俺の心を支配して、ずっと悲しみの海の中に溺れいてると思っていた

気がつけば、すっかり貴女のことを忘れて生活している

貴女が初めて書いてくれた手紙もベッドの下に放置した

いつからだろうな?

一人で夜を寝られるようになったのは

いつから
貴女のいない世界に慣れたのか

もう覚えてもいない

でも約束は守りましたよ

そしてこれからも約束は守ります

貴女の愛した子供を守り続けていきますから……

俺は色あせた手紙を手に持つと、そっとキスをした


< 2 / 29 >

この作品をシェア

pagetop