沖縄バンド少年物語
天使で美女である、彼女への俺の素直な気持ちを伝えた猛、聡はそれは恋だ!と興奮し、告白大作戦を計画した。ビジョビジョが所属する吹奏楽が終わった頃に、呼び出し、スキです付き合ってください!と言うのだ。大作戦を立てたわりに、超高校級にオーソドックスで共通な告白スタイルにひるむことなく、俺は快諾した。彼女ができるかもしれないのだ。あなたのトランペットになりたいです。あなたと共にモーツァルトのような美しい人生を奏でたいです。お互いがお互いの指揮者となり成長していこうぜ。などは却下された。前からスキでした。付き合ってください。何十回も練習した。厳密に言うと最近スキになりましただが、前からスキでしたでも嘘ではない。

ビジョビジョは少し驚いた後、笑顔でいいよ。よろしくねといった。
告白の練習はしていたが、その後の練習まで気が回らなかったので、いいよ、よろしくね。といわれたときは、キョトンとしてしまった。ようやく意味を把握できたとき、大きな大きなガッツポーズをしたら、ビジョビジョも一緒にガッツポーズそして、ハイタッチをして2人で喜んだ。俺もビジョビジョもお互いが初めての恋人になった。初めての恋人ができたとき、ハイタッチをするような気分になる人は多いと思うが、そのはじめて付き合う事になった当人とハイタッチを交わす人は少ないだろう。俺たちはそのハイタッチのような高揚した気分で、恋愛した。恋と愛の繰り返しだ。恋は熱く継続しにくいが、愛は低く、流れる川のように絶え間なく続く。
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