沖縄バンド少年物語
今までも何度か嬉しいことはあった。でも他人に受け入れられることがこんなにも嬉しいことだとは思いもよらなかった。
聡、猛もガッツポーズをしてくれた。
俺の日課に、ビジョビジョをバスターミナルまで送り届けることが加わった。コースの途中にパレットというデパートがありそこの屋上でおしゃべりを楽しんだ。そこでのおしゃべりは男達との下品な笑いに満ちたモノではなく、知的で上品なモノだった。
「古文を理解するこつや」「何かをマスターするために一日10分でも毎日続けると非常に効果がある」などを教えてくれた。俺のなぜ地球は凄いスピードで回っているのに、そう感じないのか?とか女の子の生理について教えて欲しいという、ばかな質問に嬉しそうに答えてくれたし、その場で分からないことは次の日までに調べてくれたりした。宇宙原理、原子のなりたちボーアモデルは何百年も前のモデルであることなど。また女の子が、ばかな男とは違いどんな会話で喜び、どんなことで怒るのかも学んだ。女の子はちょっとしたことでも褒められることを好む。少しの変化でも気付かなければ怒る。髪型などいつもと違ったら必ず、必ず褒めなければならない。つきあい始めて1,2ヶ月の頃、前髪が短くなっていることに気付いてはいたが、何も言わなかった。するとビジョビジョはバスターミナルに着く途中で、今日はもういい、、、と帰ってしまった。わけのわからない俺は、聡、猛の待つゲーセンに急いだ。聡がかみ切ってたな褒めてあげたか?という言葉ですべて分かった。その日の夜、あまりにもかわいくて面と向かって言うことができなかった。と弁解した。ビジョビジョは本当?本当?と何回も聞き非常に喜んだ。はじめて嘘をついてしまった。
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