“キス”のその後で…
「兄貴達…幸せそうだったな。」



「うん。」



ほんと…



すごく素敵だった。



「兄貴達…今頃なにしてんだろ?」



「う~ん…初夜だし…」



私は肩を竦めながらクスっと笑うと、短くなった煙草を一口吸った。



「きっと…」



「さっきの俺らと同じことやってんだろうな。」



「間違いなく、ね…。」



そして悪戯に微笑みながら私から再び煙草を奪い、



それを深く吸い込んだ伊織は、



短くなったそれを傍に置いてあった灰皿で揉み消すと夜空を仰ぎながらクシャっと前髪を掻き上げた。

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