君の声
「高杉!高杉!!高杉~!!!」
私は隣の席で寝ている
高杉裕(タカスギユウ)の耳元で
大きな声を出して叫んでみた。
「………なんだようるさ……」
だるそうに顔を上げてこっちを見る高杉。
あたしは毎日毎日寝てる高杉をこうやって起こしている。
初めて高杉の声を聞いたあの日から、
私は高杉のことが気になってしょうがない。
もっともっと声を聞きたい。
そう思って寝てる高杉を起こすのだ。
寝起きの高杉の声はいつもより低くて
ちょっと怒ってる。
でも、なんでかすごく安心する。
だから、キレられても
うざがられても私は毎日毎日
高杉を起こす。