君の声
「お前さあ、どんだけ嫌がらせ好きなの?」
高杉のあきれた顔と声。
それだけで胸がキュッとなる。
「高杉にしかしないもん」
顔がにやけそうなのを精一杯
我慢して、早口で言った。
「俺だけであっても嫌がらせは嫌がらせ。
なんにも用ないくせに」
「用はあるもんね」
「何?」
「内緒~」
「うざ」
睨んでくる高杉。
でも別に怖くない。
「あはは!次の授業なんだっけ?」
「英語だけど…って用ってこれ?」
「さーあね!」
顔がかなりニヤけているのを
感じながらも、チャイムが鳴ったので
教科書などを準備し始めた。