嘘で隠された現実(リアル)
俺は自分から、天音との接点をつくった。

そして今も、嫌われることを望みながら、嫌われたくないと都合よく考えている自分が居る。


散々傷付けておいて、今更だ。

中途半端な態度で、きっと更に傷つけている。


「それなのに‥何でまだ嫌いにならないんだよ…」


自分勝手な言い分だ。

だから、こうして誰も聞いていない場所でしか、本音を言うことができないのかもしれない。

そして、今この状況でしか、俺は素直になれない…。


俺は天音の頬を撫で、そしてそっと顔を近付けた。
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