嘘で隠された現実(リアル)
「別に知らなくていいよ。だってこれは、あたしが好きでやってることでもあるし」


「そういう問題じゃないでしょぉ?」


「それに、こうやって手伝ってると、あたしもメンバーの一員みたいだって思えて、嬉しいんだよね」


「天音がメンバーの一員なのは当たり前!天音がメンバーじゃなかったら、私もメンバーじゃないっ」


星に真剣な表情でそう言われ、私は少し驚きつつも、大きな喜びを感じた。


「ありがとう。あっ!ね、それより完成したやつ見てくれない。曲の譜面が手元に無いから雰囲気出ないだろうけど…」


私は制服のポケットから皺の寄った紙を取り出し、それを星に差し出した。
< 14 / 331 >

この作品をシェア

pagetop