嘘で隠された現実(リアル)
「ん?どうした?」


「いえ、別に…」


「何だよ、変なヤツだなぁ」


そう言って、黒雨さんは目を細めて笑いながら、俺の頭を豪快に撫でた。

そのおかげで、俺の髪型は芸術的な作品と化してしまった。

あまりに芸術的すぎて、人様に見せられるようなものではない。

俺は、慌てて髪を直した。


「何するんですか!?」


「ははっ、また来いよ」


「‥いいんですか?」

俺は戸惑いながら、黒雨さんを見上げた。
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