嘘で隠された現実(ﾘｱﾙ)

「貴方が今、水月をどう思っているかは別として、私はそれが本心じゃないと思ってる。だから、このままだと、貴方が一番後悔することになるのよ？」


「‥何が言いたい？」


「このままじゃ、水月‥死ぬわよ？」


俺は、全身が震えるのを感じた。

驚きのせい？

いや、そんな単純な言葉で説明できるようなものではない。

それは、いくつもの複雑な感情が生み出した、理解不能な現象だった。


「私がそれを知ったのは、水月とほぼ同時。私、これでも優秀でね。ゼミの先生に認められて、週に何度か大学病院でアシスタントのようなことをさせてもらってるの。もちろん、医師免許のない私にできる事なんて限られてるけど、任されることは少なくないわ。そんなとき、水月が病院に来たの。結論から言えば、私はアシスタントの立場を利用して一般者が立ち入りできない場所に忍び込み、水月と先生の話を立ち聞きしたの」


「死ぬ…？何だよそれ‥冗談だろ…？」