嘘で隠された現実(リアル)
「聴いてんのか?俺達のこと‥アイツから…」


俺が複雑な想いでそう尋ねれば、立花さんはフッと笑みをこぼした。


「いいえ、詳しいことは何も。でも、だからこそ、貴方にしてあげられることがある」


「は?」


「私ね、遺書を受け取ったとき、交換条件を出したの。「この遺書はひとまず私が持っておく。もし私が、これをちゃんと預かると決めたそのときには、全て本当のことを話してもらう」ってね」


「本当のこと?」


「そうよ」


「何だよ、それ」

俺は、馬鹿にするように笑った。

「アイツが俺を裏切ったのには、何か致し方ない理由があったとでも?ふざけんな」
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