嘘で隠された現実(リアル)
「それで?水月、貴方の抱えているものって何なの?」


「抱えているもの、か…」

水月はそう呟き、背を起こしているベッドにゆっくりと身体を預けた。

「俺が常に抱いているモノは、後悔‥それだけだよ」


「後悔?」


「ねぇ、郷花‥火月を見ての印象は?」


「一番はっきりとしてたのは、水月を恨んでるってことかしら」


「その通り」

水月は目隠ししたその顔に、薄っすらと笑みを浮かべた。


「どうしてそこまで憎まれてるの?」


「それだけのことを、俺はしたからだよ」

そう小さく呟き、水月は俯いた。
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