嘘で隠された現実(リアル)
「その日は、家族で公園に行くことになっていた。でも火月は準備に手間取ってる両親を待ちきれなくて、俺達は2人だけで先に公園に向かったんだ。そこで…」


水月が穏やかに話す姿を見ながら、俺はそのときのことを思い出していた。





あの日は、夏のわりに風が強かった。

そのおかげで、それほど暑さは感じなかったのだが、砂埃が舞っていて、とても遊びにくかったのを覚えている。

幼かった俺達は、それを気にせずに遊んでいたのだが、暫く経って突然、水月の帽子が飛ばされてしまった。
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