嘘で隠された現実(リアル)
「‥水月をどうしたいんだ?あんなに水月を慕っている火月から、水月を離したいのか?」


「判らないわよ…。そんなの、判らない…」





「その後は、延々と母さんのすすり泣く声しか聞こえてこなかった」


冷静な水月の声を何処か遠くに聞きながら、俺は身体を震わせていた。


何だよ、それ…。


何だよ、今の話…。


それじゃぁまるで、俺と水月が…。


「兄弟じゃない‥そういうこと?水月、貴方って彼とは‥今の両親とは‥血が繋がっていないのね?」


そんな馬鹿なこと、あるわけが…。


「そうだよ」


この瞬間、俺は一番否定して欲しい人物に、信じたくない事実を肯定された。
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