嘘で隠された現実(リアル)
「ふぅん。そうなんだ…」


「だったら、何だよ?」


俺は恥ずかしさのあまり、水月から顔を背けた。

それは、何となく水月の次の言葉が予想できてしまったからだ。


「恥ずかしがることないよ。俺は応援するから」


やっぱりな…。

俺は、水月から視線を外したまま苦笑した。


「‥って言いたいとこだけど、俺は反対だな…」


え…?


俺が驚いて水月に視線を向ければ、驚くほど冷たい視線が返ってきた。


「反対だよ。あんなのの、どこがいいわけ?性格も悪そうだし」


信じられなかった。

水月が反対するなんて…。

いや、それどころか、他人の悪口を言うなんて…。


「それに、あの子俺のこと好きみたいだよ?全く迷惑な話だけど」


「‥なんだよ、それ…」


水月は目を細めて、クスッと笑った。
< 233 / 331 >

この作品をシェア

pagetop