嘘で隠された現実(ﾘｱﾙ)

俺は思わず姿勢を正し、背を伸ばした。


「だから必ず、落ち着いたら一度戻って来なさい」


「‥はい」


俺が真面目に返事をすると、幸矢さんは満足したのか、いつもの調子に戻った。


「そのときは、水月くんも連れておいで。久々に３人で話をしたいからね」


「ああ。絶対に連れてきてやるよ」


「約束だからね？」


幸矢さんはそう言って、俺の頭をクシャリと撫でた。