嘘で隠された現実(リアル)
「うん、違うよね。今回は逆に相手にしてもらえなかっただけだよね?姉さん?」
「…」
本当のことではあったけれど、それを素直に認めることはできなかった。
普段なら、響に逢いに行けば好奇の目にさらされるのだが、今日は全くと言っていいほどに、それがなかった。
それどころか、皆の視界に入ることさえ、なかったかもしれない。
そう言えてしまうくらいに、皆が星を見ていた。
初めて1年の校舎に姿を現した星に、皆が興味を持っても無理はない。
外見は勿論だが、星はこの学校唯一の生粋のお嬢様なのだから。
「そりゃ仕方ねぇだろ。判っていながら、神楽と一緒に行ったお前が悪い」
未だに口元に笑みを残している朱月は、そう言って椅子に寝かせていたギターを手に取った。
「ほら、話はここまで。いい加減やんねぇと時間なくなる。先生が見回りに来たらアウトだぜ?」
朱月のその言葉を合図に、響がベースを、瞬輝くんがウッドスティックを、星がマイクを手に取り、彗ちゃんはキーボードの電源をオンにした。
こうして5人揃って楽器に触れている姿を見るのは、本当に久しぶりのことだった。
「…」
本当のことではあったけれど、それを素直に認めることはできなかった。
普段なら、響に逢いに行けば好奇の目にさらされるのだが、今日は全くと言っていいほどに、それがなかった。
それどころか、皆の視界に入ることさえ、なかったかもしれない。
そう言えてしまうくらいに、皆が星を見ていた。
初めて1年の校舎に姿を現した星に、皆が興味を持っても無理はない。
外見は勿論だが、星はこの学校唯一の生粋のお嬢様なのだから。
「そりゃ仕方ねぇだろ。判っていながら、神楽と一緒に行ったお前が悪い」
未だに口元に笑みを残している朱月は、そう言って椅子に寝かせていたギターを手に取った。
「ほら、話はここまで。いい加減やんねぇと時間なくなる。先生が見回りに来たらアウトだぜ?」
朱月のその言葉を合図に、響がベースを、瞬輝くんがウッドスティックを、星がマイクを手に取り、彗ちゃんはキーボードの電源をオンにした。
こうして5人揃って楽器に触れている姿を見るのは、本当に久しぶりのことだった。