嘘で隠された現実(リアル)
「謝んじゃなく、理由を言えよっ!」


「お前は落ち着け」


相変わらず冷静な瞬輝くんが、彗ちゃんを引き止める。

自由に動けなくなった彗ちゃんは、瞬輝くんを睨みあげた。


「何で止めんだよっ!俺には訊く権利あんだろ!?こいつのせいで、迷惑してんだっ!」


「訊くなとは言ってない。落ち着けと言ってるんだ」


冷静さを保ちながらも咎めるような口調を受けて、彗ちゃんも漸く大人しくなった。

とりあえず、喧嘩には発展せずに済みそうだ。

私は1人、安堵のため息をこぼした。


「今まで練習に参加しなかった人が、私達に何の用なわけぇ?」

私にもたれ掛かりながら、星が口を開いた。

「とっとと済ませてもらいたいんだけど?」


「ああ、そうだな…」

朱月は苦笑し、頷いた。

「俺、学校を辞める」
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