嘘で隠された現実(リアル)
「本気だよ?だって、前のリベンジしなきゃって、皆もそう言ってたじゃない?Star lieでの演奏はこれがラストチャンスなんだから、やっとかないと絶対後悔するって!」


「そうだな。前にできなかった曲もあるし、2曲くらいなら、数日後でも問題ないだろ」


「瞬輝先輩まで…」


私に賛成した瞬輝くんに視線向け、響は「信じられない」と呟いた。


「いーじゃん!思い出作りって大切だよ?ね、朱月もリベンジしたいでしょ?」

「えっ!?」

朱月は戸惑いながらも「ああ」と頷き、それから微かに笑みを浮かべた。


明るい笑顔には程遠いが、今はそれで充分だ。

ライブの後には、きっと最高の笑顔を見せてくれるはず…。

そのためならば、私も嘘を付き通せる。


「えっ、マジですんのかよ?」


「仕方ないわねぇ。天音がそう言うのなら、協力してあげる。ライブハウスは、私が責任持って探すわ」


「やった!星大好きっ」


「当然」

そう言った星の表情は、とびっきりの笑顔だった。
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