嘘で隠された現実(リアル)
「マスターの知り合い?」


俺を出迎えてくれた人物が、グラスを拭きながら不思議そうに首を傾げる。

俺はその人にも、軽く頭を下げた。


「朱月です。どうも」


「玉、お前の大好きな星ちゃんのオトモダチだ」


「えっ、星ちゃんの!?」


玉は、驚いたように俺を見た。

そして、今感じている視線が鋭いと感じるのは、決して勘違いではないと思う。


「おいおい、睨んじゃ駄目だろ?」


そう言って、ニヤニヤと笑う黒雨さん。

絶対にわざとだ。


「睨んでない」


「安心しろ。朱月は星ちゃんと仲悪いんだぜ?」


「え‥本当に?」


今の発言によって、かなり視線が和らいだ。

それにホッとして、俺は頷いた。
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