嘘で隠された現実(リアル)
「本を逆さに‥とかなら聞いたことあったけど裏って‥何も書いてないのに、ずっとその状態で持ってるから可笑しくて…」
「あ、天音っちぃ」
「ご、ごめっ」
彗は、まだ完全に笑いが止まらない天音を睨み、「酷いっ!」と叫びながら両手で顔を覆った。
誰でもない天音に笑われ続けるのを見ていると、それを楽しんでいた俺にも、彗に対する多少の同情心が育った。
「さすがですよ、彗先輩。最後までもの凄い影響力‥ちなみに、今回ばかりは褒めてますからね?」
初めは嫌味を言うようにニヤニヤとしていた響だったが、彗の鋭い視線に気付いた途端、慌てたように言葉を付け加えた。
「はいはい、そこまで」
漸く笑いがおさまったらしく、天音は先程とはうって変わった真面目な表情で、彗と響の間に割り込んだ。
「ほら、そろそろ行かないと」
「だな」
瞬輝が、腕時計を確認しながら頷く。
「そろそろだろう」
「あ、天音っちぃ」
「ご、ごめっ」
彗は、まだ完全に笑いが止まらない天音を睨み、「酷いっ!」と叫びながら両手で顔を覆った。
誰でもない天音に笑われ続けるのを見ていると、それを楽しんでいた俺にも、彗に対する多少の同情心が育った。
「さすがですよ、彗先輩。最後までもの凄い影響力‥ちなみに、今回ばかりは褒めてますからね?」
初めは嫌味を言うようにニヤニヤとしていた響だったが、彗の鋭い視線に気付いた途端、慌てたように言葉を付け加えた。
「はいはい、そこまで」
漸く笑いがおさまったらしく、天音は先程とはうって変わった真面目な表情で、彗と響の間に割り込んだ。
「ほら、そろそろ行かないと」
「だな」
瞬輝が、腕時計を確認しながら頷く。
「そろそろだろう」