嘘で隠された現実(リアル)
「頑張りましょうねっ!」


「響、お前やけに張りきってんなぁ。興奮しすぎて間違えんなよ?」


「女装姿でその口調はやめてください。あと、さっきまで真っ白な楽譜とにらめっこしてた人に言われたくないです」


「なっ!」

彗は微かに顔を赤く染め、響の腕を叩いた。

「見てたんじゃねぇ。持ってただけだっ!」


「あー、五月蝿いわねぇ。歌詞飛んじゃったらどうしてくれるのぉ?」


「あ‥すみません」


はたして、本当に同一人物なのだろうか。

神楽に怒られた響は、悲しげに俯いた。

そんな響の肩に、神楽が優しく手を置く。

神楽にしては、珍しいことだ。

あくまで天音以外にすることが‥だが。
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