嘘で隠された現実(リアル)
「いいのよ。今のは99.99%が彗に対しての言葉だから」


「か、神楽ちゃん?何だかあまりに細かすぎないかしら?」


「そぉ?小数点第2位までが常識かと思って具体的にしたんだけど‥ほぼ100%って言った方が良かったかしら」


「さ、さーて、ホントに時間なくなっちゃう」


口喧嘩が発展してくことを恐れたように、天音が焦って口を挟んだ。

今までを振り返ってみても、この程度の言い合いは日常茶飯事だったので、天音の心配は杞憂だろう。

だが、仲介役をかって出るところは、彼女らしいとも思ってしまう。


そんな様子を見ていると、こういった時間が、これで最後だと実感することは、とてもできそうにない。

それが嬉しいことなのか、悲しいことなのか、そのための判断は、俺にはあまりに難題すぎた。


だが、それでも俺は、本当はこんな最後を望んでいた。

それは、本心から言えることだ。
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