嘘で隠された現実(リアル)
何て幼かったんだろうと、今では苦笑せずにはいられない。
あんなことを言った朱月も、それを信じた私も、きっと同じくらい幼かった。
呆れるほど純粋だった…。
成長していくにつれて知った嘘。
成長していくにつれて判ってきた真実。
真実は嘘で隠すものなのだと、十数年の人生で学び尽くした。
もうあの頃のようには『不幸なこと=子どもの天使の失敗』だなんて思えないけれど、このときはただそれを信じていた。
いや、きっと信じたかった…。
幼すぎたから?
純粋だったから?
それとも‥朱月が言ったことだったから…?
今でもそれは、判らない。
けれど、たぶん私はこのとき既に、朱月に惹かれ始めていた。
このことがきっかけで、私は朱月に恋をした。
◆
次の日から、私は積極的に朱月に声を掛けるようになった。
決して社交的でない私は、挨拶をするだけでも神経を使ってしまう。
けれど、無愛想ながらもきちんと返事をしてくれる朱月を見ては、こっそりと胸を躍らせた。
度々話し掛ける私に慣れてくれたのか、その2日後には、一緒に帰ってくれるようにもなった。
私の家は学校から少し距離があったが、朱月の家に近いことを知ったときは、初めてそのことに強く感謝した。
あんなことを言った朱月も、それを信じた私も、きっと同じくらい幼かった。
呆れるほど純粋だった…。
成長していくにつれて知った嘘。
成長していくにつれて判ってきた真実。
真実は嘘で隠すものなのだと、十数年の人生で学び尽くした。
もうあの頃のようには『不幸なこと=子どもの天使の失敗』だなんて思えないけれど、このときはただそれを信じていた。
いや、きっと信じたかった…。
幼すぎたから?
純粋だったから?
それとも‥朱月が言ったことだったから…?
今でもそれは、判らない。
けれど、たぶん私はこのとき既に、朱月に惹かれ始めていた。
このことがきっかけで、私は朱月に恋をした。
◆
次の日から、私は積極的に朱月に声を掛けるようになった。
決して社交的でない私は、挨拶をするだけでも神経を使ってしまう。
けれど、無愛想ながらもきちんと返事をしてくれる朱月を見ては、こっそりと胸を躍らせた。
度々話し掛ける私に慣れてくれたのか、その2日後には、一緒に帰ってくれるようにもなった。
私の家は学校から少し距離があったが、朱月の家に近いことを知ったときは、初めてそのことに強く感謝した。