嘘で隠された現実(リアル)
自分の作品にプライドを持っている彗は、自分の仕事に手を抜きさえしなかったものの、それ以外では、真剣さを捨てるようになった。

女装を始めたのもその1つ。

ふざけることで、あらゆるものを誤魔化そうとしたのだろう。


俺はそれに気付いていたが、何もできなかった。

彗を励ますことなど、救うことなどできないと‥そう思っていた。

だが、天音はそれをしたのだ。

逢ってたったの数時間で…。


その後、天音と彗の関係は、愛称を付け合うほど良好になった。


彗は、相変わらず女装は続けたが、その理由が以前とは違うことに、俺は気付いていた。
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