好きなのに…、、
第2章*事実*
幼い頃の記憶
あたしと爽真は
幼馴染み。
家が隣同士だったのもあって、
小さい頃から
お互いのことは
なんでも知ってる、
そう思ってた。
でも
1つだけ、
爽真のことで知らなかったことがあった。
幼いあたしは
「ねぇねぇ。
爽真はどうして
ママがいないの?」
爽真はこう答えた。
「ぼくのママはね、
違うおうちにいるよ」
どういう意味なのか
バカなあたしには到底分からなかった。
子供の頃は
みんな素直だっていうのは
本当なんじゃないかなと思った。
子供は思ったことを
何でも言う。
今のあたしには
あんなこと
絶対に聞けない。
爽真は何か隠しているから…――
お母さんの話になると
自然に逃げているのが
バレバレなんだもん…。