運命の人はお義兄様
私はさっきから気になって仕方ない事を口にした。
「…どうして裏なの。学校では…表でしょ…?」
「学校は表だな」
「俺も標準語でしゃべるんやで」
「……今はどういうこと???」
全く意味がわからなかった…。
「俺は親父の命令でな。親しい者の前以外では標準語話せって言われとるんやわ」
私は隼人さんから絋希さんに視線を移した。
「……隼人にはバレたんだよ」
少し照れくさそうに下を向きながら、小さな声で絋希さんは言った。
私は笑いそうになるのを必死にこらえた。
「静夏ちゃん、応援してるから頑張りや」
「無名なお前の演奏なんて知り合いしか聴いてないんだから、アホみたいに緊張するなよ」
2人はそう言って去って行った―――‥。
2人とも表現は違うけど、励ましてくれたんだと思う。
グチグチ言ってないで頑張んなきゃ!!