運命の人はお義兄様
控え室に戻ると、花束の横にリンゴジュースが置いてあった。
リンゴジュースだぁ!!
昔から大好きなんだよね。
パックを手に取ると、そこには大きな文字で"はやと"と書かれていた。
ふふっ。
隼人さんらしい…。
何でリンゴジュースなんだろ。
もしかして、絋希さんが…!?
ない、ない。あり得ない。
それに殆ど一緒に居ないから、絶対知らないし。
偶々だよね…???
でも、嬉しいなぁ。
私は出番までリンゴジュースを飲んだ。
きっと私の顔はニヤけていただろう。
「60番から75番の演奏者の方は移動してください」
とうとう私の出番が来た。
私は花束に付いていたリボンをそっと外し、それを手に移動した。