運命の人はお義兄様
案の定静夏は女に囲まれていた。
静夏が嘘ついてるだって???
馬鹿かこいつらは…。
口に出しそうになったが、面倒だから止めておいた。
静夏の為に説明すると
天草率いる女達が納得したようだった。
静夏を"瀬野さん"と呼ぶのは正直辛かった。
俺から他人扱いしているようで…。
自分に苛立ちを覚えた。
控え室を出て、大会関係者に挨拶しに行った。
その途中で隼人に会った。
「絋希の妹に会いに来てもうたわ」
「……ハァ-」
「ため息吐かんと紹介してや」
「…待ってろ」
俺は隼人にそれだけ伝え、関係者控え室に入った。
一通り挨拶を済ませ、廊下に出た。