運命の人はお義兄様
俺が廊下に出ると
いつの間にか、女に囲まれてる隼人が目に入った。
俺が無視して歩き出すと、慌てて女達に別れを告げ俺の横に来た。
「勝手に行くなんて酷いやん」
「忙しそうだったからな。気を利かせたんだ」
「嘘つくなや。面倒だっただけやろ」
隼人が俺を軽くどついた。
そんな隼人を無視しながら、静夏の元に向かった。
控え室に着いた俺達だったが、
静まりかえった廊下とは反対にざわつく控え室の音を聞き入るのを止めた。
俺達は扉の横に立ち、中の様子を伺った。
すると、中から静夏が出てきた。
俺はいきなりの事で凄く驚いた。
静夏は俺達に気付かず反対方向に走って行った。
静夏は……
泣いていた。