運命の人はお義兄様


静夏の演奏が終わると、俺は感動と懐かしさで泣きそうになった。

隣では隼人がアホみたいな事をしていたが、突っ込む気にもなれなかった。

…いや。隼人をかまえるほど俺に余裕がなかった。


隼人にも美希さんにも、俺が感動している事がバレバレだった。




小走りでステージから出ていく静夏を見て、俺は誓った。



昔の俺を思い出さなくてもいい……。




幼い俺になんか負けねぇ。




今の俺に……





惚れさせてやる!



思い出の中の俺じゃなく、今の俺が支えてやるよ。



だから…逃げんなよ。


覚悟しとけ…。






< 127 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop