運命の人はお義兄様


今度はそっと私の手を握り
「ほな、行こか」っと変わらない態度で歩きだした隼人さんを見て、私は安心した。


早く熱どっか行ってよ。
隼人さんにバレちゃう…。


私の願いが聞いたのか、顔の赤みが消えた頃
掲示板の前に着いた‥――――。


私の番号は…。

私が番号を確認しようと頭を上げたとき
「通過や!!」と言う声と共に私の体は揺れた。


「隼人さん…。見えないし、苦しいです…」

抱きついてきた隼人さんを押すがびくともせず、困っていると
ベリッと絋希さんによって、私から隼人さんが剥がされた。


「これで…」

絋希さんが笑顔で何か言った。

「何て言ったんですか?」

私は慌てて聞き直した。
初めて見る……
素の笑顔だと思ったから………。
「これで、お前の…実力がわかるって言ったんだ」

さっきの笑顔はどこかに行き、いつもと変わらない態度で言われた。




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