運命の人はお義兄様
落ち込んでいる私を見た、隼人さんが
「きっと大丈夫や。リラックスが大事やで」と私の肩を軽く叩いた。
「隼人、時間だ。行くぞ」
「ほんまに!?ほな、静夏ちゃん頑張ってや」
私も2人と別れ、控え室に戻った。
控え室の扉の前でスーツを着た人と一緒になった。
「すみません」
私は慌てて一歩下がった。
「いえ、こちらこそ。お先にどうぞ」
そう言うと、男性は扉を開けてくれた。
「すみません。ありがとうございます」
「いえ。それでは、瀬野さん。こちらをお受け取り下さい」
「…へ!?!?…ありがとうございます…??」
私は男性が差し出した封筒を慌てて受け取った。
男性は私に笑いかけると同時に、足を天草さんの方に向け、歩き出した。
「こちらは、天草さんに」
男性は私に渡したのと同じものを、天草さんに渡した。