運命の人はお義兄様
ザワついていた控え室が、一気に静まり返った…。
周りの視線は私が手にしている封筒に向けられていた……。
私にはこのスーツの男性が誰なのかも、自分が手にしているこの封筒が何なのかもわからなかった。
「2次通過おめでとうございます。封筒に新たな控え室の地図と鍵が入っているので、荷物を持ってその控え室でお待ちください」
男性はそう言うと、扉を開け「失礼します」と出ていった。
男性が居なくなると、控え室はザワつきを取り戻した。
「瀬野さんも通過したのですね」
天草さんが私の所に来て、封筒に視線を向けた。
「はい。私もびっくりしてます」
「次もお互い頑張りましょうね」
「はい。よろしくお願いします」
天草さんは準備が終っていたのか、そのまま控え室を後にした。