運命の人はお義兄様


私も急いで準備を始めた。


「次は絶対に負けないから…」
「……」
「今回は負けたけど、次は本気でやるわ」
「はい。お互い良い結果を出しましょう!」

私は天草さんと一緒に居たお嬢様たちと握手を交わした。


「頑張ってね」
「ありがとうございます」

私はお嬢様たちに見送られながら、控え室を出た。


新しく用意された控え室は、1人には無駄に広く、寂しさを感じた。


私は目を瞑り神経を集中させた。


そういえば…。
昔…こうくんと今回の曲を演奏したとき…。

『相手の音を気にしすぎてる』って怒られたなぁ。

『合わせることも大切だけど…。この曲ではピアノの仕事だから、バイオリンはしっかり自分の音を持て…』

この後も上手く出来なくてこってり絞られたんだよね…。





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