運命の人はお義兄様


彼女の両親は俺に詳しくは語らなかった。

ただ「ありがとう」と言うだけだった。

命を救えなかった俺に……。




その彼女の相手が"泉 幸平"だったとは、知ってからも信じられなかった。

俺は隼人にその事をメールで伝えていると、旧校舎への渡り廊下に
静夏と泉の姿が目に入った。

俺は急いで旧校舎へ向かった。


俺の教室から旧校舎は遠く、かなり時間が懸かった。


俺が2人の居場所を見付けたときには、静夏が意識を飛ばす直前だった。


「静夏っ!!!!」


俺がそう叫ぶと、泉はこちらを向いた。




< 183 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop