運命の人はお義兄様
彼女の両親は俺に詳しくは語らなかった。
ただ「ありがとう」と言うだけだった。
命を救えなかった俺に……。
その彼女の相手が"泉 幸平"だったとは、知ってからも信じられなかった。
俺は隼人にその事をメールで伝えていると、旧校舎への渡り廊下に
静夏と泉の姿が目に入った。
俺は急いで旧校舎へ向かった。
俺の教室から旧校舎は遠く、かなり時間が懸かった。
俺が2人の居場所を見付けたときには、静夏が意識を飛ばす直前だった。
「静夏っ!!!!」
俺がそう叫ぶと、泉はこちらを向いた。