運命の人はお義兄様


遠くの方で救急車の音が聞こえた。

「…絋希っ!!!静夏ちゃん!!!!」


隼人さんがこちらに走ってくるのが見えた。

「絋希さんが…。絋希さんが……。
私のせいで……。
いや…、いやーーーーぁ」
「静夏ちゃん。絋希は大丈夫やから…」

「絋希さん…起きて…??」
「静夏ちゃん。自分がしっかりせなあかん時やろ!!」

「………。
お母さんとお父さんに…」


私は急いで連絡を入れた。


救急車に乗り、病院まで行った。


「私は後で良いので、絋希さんを……」
「彼は今、きちんと治療を行ってるわ。あなたも一応、精密検査をしなくちゃ危険だわ」

「ですが…。絋希さんが……」

私は治療室の方へと体を向けた。

「今行っても何もできないわ。それより、彼が目覚めた時。
あなたも大丈夫だったと、伝えられるようにした方が良いんじゃないかしら…」
「…はい」

私は絋希さんを待ちたい気持ちを抑え、検査を受けることにした。



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