運命の人はお義兄様
疲れていたのか、検査中に眠ってしまった。
目を覚ますと、病院のベッドの中だった。
私が起き上がると、先程の看護師さんが近付いてきた。
「おはよう。体はどう…?」
「大丈夫…です。あの…絋希さんは…?」
「…彼なら隣の病室に居るわ」
私はその言葉を聞き、急いで隣の病室に向かった。
病室の扉を勢い良く開けた。
「……絋希さん…?」
私は小さく呟いた。
絋希さんからの返事はなく、"ピッピッ"と機械音だけが聞こえた。
「…絋希さん?」
頭に包帯を巻いてあり、腕には点滴がされていて、口には酸素マスクが付いていた。
「…一命は取り止めたのよ。
後は本人の気力次第で、いつ目を開けるかはわからないそうよ」
お母さんは力のない声で語った。