運命の人はお義兄様
絋希さんなら大丈夫‥――――。
なぜだかそう思った。
必ず目を開けて、笑ってくれる…。
絶対………。
私は泣かなかった。
唯々祈るばかりだった。
「静夏…もう面会終了時間よ」
お母さんのその声を聞き、仕方なく握っていた手を離した。
廊下には朔と隼人さんが居た。
「静夏…大丈夫??」
朔が心配そうな顔で私に尋ねた。
「大丈夫だよ。2人ともわざわざありがとうございます」
「…学校には、剣道の練習中の怪我やて伝えといたから、安心してや。
場所も旧校舎やったし、見ていた生徒も居らんかったし…」
「ありがとうございます。こんな遅くまで…」
2人の優しさが嬉しかった。