運命の人はお義兄様
規則正しい音を背に、絋希さんに目を向ける。
いつもと変わらない綺麗な寝顔を見つめていると、喉の奥が熱くなってきた。
鞄からお弁当を出し、枕元にある台に置いた。
「今日は絋希さんの好きな玉子焼きを多めに入れたんですよ。あと、嫌がってたタコさんウインナーも…。
そろそろ行きますね…。
いってきます。またあとで来ます」
私は絋希さんの頬に唇を落とし、病室を後にした。
そのまま学校に向かい、なんとか4時間目に間に合うことが出来た。
「遅かったね―。はい、ノート」
朔は何も聞かずに、変わらない態度でいてくれた。
「ありがとう…」
朔には何度も救われてる。
今までの"ありがとう"と
これからの"ありがとう"という想いを乗せて…。
私は呟いた。