運命の人はお義兄様
隼人さんの行動を不思議に思わなかった私は、次の日もいつものように、病院へ行った。
「失礼します。
絋希さん、おはようございます」
ベッドの横にある椅子に腰掛け、お弁当を枕元に置いた。
「今日こそ食べて下さいね…。
勿体ないオバケに呪われますよ。
って…呪われるのは、私ですよね。
それより、今日は何の日かわかりますか??
もう…10年以上前ですかね…。
私が運命の人と出会った日は…。
絋希さん、覚えてますか?
私とこうくん…。私と絋希さんが出会った日ですよ」
絋希さんからの返答は無かった。
「……今日ぐらい、目を開けてください。
……今日ぐらい、泣いても、いいですか…??」
「泣いてもええで…」
背中に温もりを感じた…――――。