運命の人はお義兄様


お母さんは何事もなかったかのように、お父さんと話していた。

「精密検査の結果を待つしかないか…」
「きっと大丈夫よ。絋希くんこんなに元気だもの」

お母さんはお父さんの手を握った。

「そういえば、静夏ちゃん。コンクール頑張ってね。」

絋希さんが私に向かって微笑んだ。

「はい!結果残して、転校してきた理由になるように頑張ります。絋希さんも早く退院できるように、安静にしてくださいね」
「あぁ。練習手伝えるように、頑張るよ」

私たちは笑い合った。

「…いつの間に仲良くなったんだ?絋希は優さんとも仲良いし…」
「ふふっ。秘密よねぇ」

お母さんが意味ありげに私たちを見た。

「絋希だけずるいぞ。僕だって静夏ちゃんと仲良くなりたいんだぞ」

おちゃめなお父さんの発言でみんな吹き出してしまった。

「私とお父さんも仲良いですよ。」

「じゃあ、今度ドライブに行こうか」
「は「賛成」

私のお父さんへの返事は、絋希さんの言葉で遮られた。



< 207 / 207 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

道のない甲子園
秦夏/著

総文字数/15,725

青春・友情50ページ

表紙を見る
愛してる~亡きあなたからの手紙~
秦夏/著

総文字数/1,372

詩・短歌・俳句・川柳11ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop