運命の人はお義兄様
お母さんは何事もなかったかのように、お父さんと話していた。
「精密検査の結果を待つしかないか…」
「きっと大丈夫よ。絋希くんこんなに元気だもの」
お母さんはお父さんの手を握った。
「そういえば、静夏ちゃん。コンクール頑張ってね。」
絋希さんが私に向かって微笑んだ。
「はい!結果残して、転校してきた理由になるように頑張ります。絋希さんも早く退院できるように、安静にしてくださいね」
「あぁ。練習手伝えるように、頑張るよ」
私たちは笑い合った。
「…いつの間に仲良くなったんだ?絋希は優さんとも仲良いし…」
「ふふっ。秘密よねぇ」
お母さんが意味ありげに私たちを見た。
「絋希だけずるいぞ。僕だって静夏ちゃんと仲良くなりたいんだぞ」
おちゃめなお父さんの発言でみんな吹き出してしまった。
「私とお父さんも仲良いですよ。」
「じゃあ、今度ドライブに行こうか」
「は「賛成」
私のお父さんへの返事は、絋希さんの言葉で遮られた。