運命の人はお義兄様
私は朔と別れて家に急いで帰った。
鍵がしまっていて、まだお母さんは帰ってきてないみたいだった。
私は自分の部屋に行き、気持ちを落ち着かせるためにバイオリンを弾いた。
何十分か経ったときに、車のドアの閉まる音がした。
そのあと、家のドアが開いた。
「静夏-。服買いに行くから準備して-」
「は-い」
落ち着きかかっていた私の心臓は、また激しく動き出した。
「服ってどんなの買うの!?」
「ん-。ドレスかな」
「え!!どんなレストランに行くの!?」
「プリンスホテルの最上階よ」
「そこって、お母さんが仕事でよく使うところでしょ。私なんか場違いでしょ」
「そんなことないわよ」
はぁ-。お母さんの能天気…。
「さっ。車に乗って」
「はい、はい」
「私も仕事のままだから、私のも買いましょ!フフッ。静夏の選んであげようか?」
「お母さんは自分のに専念していいよ。自分で選ぶから」
「な-んだ。私、静夏の服選ぶの好きなのに」
「今日はお母さんのも買うんだからね」
私の服ほとんどお母さんが選んでるけど、お母さんが選んだ服は好きなんだよね。
でも、今日くらいは、自分のに専念して欲しいからごめんね。