運命の人はお義兄様


部室では隼人と部長が練習試合について話していた。

「おはようございます。大原部長」
「お、絋希。お前手首調子悪いんだって?こいつが言ってたけど」
部長は隼人を指差した。
隼人は自慢気な顔で俺を見た。
「実は昨日から調子が良くなくて…」
「そうか。練習試合は朝練してみてから決めるか」
「はい。すみません…」

俺は頭を下げた。
部長が練習場に向かう。
俺は隼人のロッカーの隣にある自分のロッカーの扉を開けた。

「感謝せ-よ」
「…フッ。どうせ出るはめになる」
「何でわかるんや?」
「西城大は主メンバーで来る…」
「ホンマか!!!それは…」
「あぁ。たぶんな…。部長は俺を大将で使って、お前を先鋒にするだろうな」
「5人制やとええな」
「そうだな…」

5人制・大将・先鋒っていうのは、剣道の団体戦の形式だったり、試合する順番の事だ。
怪我している俺を最後の手段にするためには、隼人を先鋒にしてなるべく多くの相手を倒してもらうしかない…。
俺と隼人は剣道部で1番上手いからな…。





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