運命の人はお義兄様


俺も部室に行きシャワーを浴びてから、校舎に向かった。

部室の近くに1台のリムジンが停まっている。
運転手が後部座席のドアを開ける。

ガチャッ バタンッ

中から出てきた奴が俺に話しかける。
「絋希さん、ごきげんよう」
「おはよう。天草さん」

こいつは天草 麗(アマクサ レイ)。
天草財閥の一人娘で西城幼稚園の時から学校が同じだ。
この学校の女子を取り仕切ってると言ってもいいだろう。

俺は挨拶を返して通り過ぎようとした。

「麗様、お気をつけて。」
運転手が鞄を渡す。
「行ってくるわ」
そういうと、天草は俺の隣に並んできた。

「教室までご一緒して良いかしら?」
「あぁ。一緒に行こう」
もう付いてきてるだろ…。
「麗お姉様、私達もご一緒して良いでしょうか?」
「えぇ。皆様で参りましょう。ねぇ、絋希さん」
「あぁ」
俺は周りの奴らにとびっきりの笑顔を向けた。

「「「「「キャー」」」」」

周りが騒ぎ出す。
俺は構わず歩き続ける。






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