運命の人はお義兄様
今日は第2音楽室が授業で使われていない。
俺は1時間目はそこで過ごすことにした。
キィ-ッ
俺は少し古ぼけたピアノを開けた。
♪~♪~
ピアノの音を聞くと心が休まる気がした。
コンコンッ
ドアをノックする音が聞こえた。
「やっぱりここに居ったか」
1時間目が終わると隼人が入ってきた。
「藤田が探しとったけど、どないするんや?」
「向こうが見つけるまでは、ほっとく」
「さよか。ほな」
「ありがとな」
手を振って出ていく隼人に小さく呟いた。
藤田が呼んでいる理由は大体予想がつく…。
辞退しろとかなんとか部長の前じゃ言えない事を言ってくるんだろう。
俺はあの曲を一度弾いてから教室に戻った。