運命の人はお義兄様


俺は静まり返った廊下を歩く。

教室の扉を開け席につく。

「平沢。どうした」
教科担当がこっちを見る。
「すみません。どうしても外せない生徒会の仕事がありまして…」俺は席を立ち、教科担当から視線を外さずに言った。
「そ、そうか…。ご苦労だった。座っていいぞ」

この学校は生徒会と言えば何も言えなくなる。
職員の人事も理事長と生徒会で決めるから尚更だろう。
逆に言えば、生徒会を決めることはすごく難しいことだ。
立候補ではなく、現生徒会と職員、理事長が全員参加の会議を開き次の生徒会を決める事になっている。
成績や人格などさまざまな面で他より優れていなければならない…。
俺は1年で生徒会長に任命された。
理由はよく知らないが、俺が中等部に在学中に知らされた。
俺たちも次の生徒会を考えなくてはならない…。
まったく面倒な話だ。

俺は授業中そんなことを考えていた。





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